むずかしい」に傍点]事を云おうと思っていた」
春「大きな声だなア、隣へ聞えるぜ」
又「両隣は明店《あきだな》で、あとは皆|稼《かせ》ぎ人《にん》ばかりだから、十時を打つと直《じ》きに寝るものばかりだから、安心してまア一杯|遣《や》りたまえ、寒い時分だから」
春「さア約束の千円は君に渡すが、どうか此の金で取附《とりつ》いてどんな商法でも開《ひら》きなさい、共に力に成ろうから、何《なん》でも身体を働いて遣《や》らなくっちゃアいけんぜ[#底本では「いけんせ」と誤記]、君は怠惰者《なまけもの》だからいかん、運動にもなるから働きなさい、酒ばかり飲んでいてはいかんぜ、何でも身を粉《こ》に砕《くだ》いて取附かんではいかん」
又「それは素《もと》よりだ、何時《いつ》まで斯《こ》うやって鍋焼饂飩《なべやきうどん》を売ってゝも感心しないが、これでも些《ちっ》とは資本《もとで》が入《い》るねえ、古道具屋へ往って、黒い土の混炉《こんろ》が二つ、行平鍋《ゆきひらなべ》が六つ、泥の鍋さ、是は八丁堀の神谷通《かみやどお》りの角の瀬戸物屋で買うと廉《やす》いよ、四銭五厘ずつで六つ売りやす、それから中段《ちゅうだん》の
前へ
次へ
全151ページ中116ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
三遊亭 円朝 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング