》きに姐《ねえ》さんから小言《こごと》を頂戴《ちやうだい》したり何《なん》かしました、へい嬢《ぢやう》さん入《い》らつしやいまし、何《ど》うも先達《せんだつて》の二|番目狂言《ばんめきやうげん》へ貴嬢《あなた》がチヨイと批評《くぎ》をお刺《さし》になつた事を親方《おやかた》に話しましたら、大層《たいそう》感心《かんしん》しまして実《じつ》に恐入《おそれい》つたものだ、中々《なか/\》アヽ云《い》ふ処《ところ》は商売人《しやうばいにん》だつて容易《ようい》に気《き》の附《つ》くもんぢやアないと云《い》ひました、何卒《どうぞ》打出《はね》ましたら些《ち》と三|階《がい》へ入《い》らつしやいまして、おや是《これ》は坊《ぼ》ツちやま入《い》らつしやいまし、アハヽまアお可愛《かあい》らしいこと、いえ何《ど》うも親方《おやかた》も駭《おどろ》いてましたし、表方《おもてかた》の者も皆《みな》感心《かんしん》をしてえるんで、坊《ぼつ》ちやんがアノ何《ど》うも長《なが》いダレ幕《まく》の間《あひだ》ちやんとお膝《ひざ》へ手を載《の》せて見て居《ゐ》らつしやるのは流石《さすが》は何《ど》うもお違《ちが》ひなさるツてえましたら親方《おやかた》がさう云《い》ひましたよ、夫《それ》ア当然《あたりめえ》よお前《まへ》のやうな痴漢《ばか》とは違《ちが》ふ、ちやんと勧善懲悪《くわんぜんちようあく》の道理《だうり》がお解《わか》りになるから飽《あ》かずに見て居《ゐ》らつしやるのだ、若《も》し其道理《そのだうり》が解《わか》らなければ退屈《たいくつ》して仕舞《しま》ふ訳《わけ》ぢやアないか、と云《い》はれて見ると成程《なるほど》と思つて愈々《いよ/\》恐入《おそれいり》ましたんでエヘヽヽちやんと何《ど》うも眼《め》も放《はな》さずに見て居《ゐ》らつしやるなんて本当《ほんたう》に違《ちが》ひますな、イエまだ早うごす、左様《さやう》でげすか、入《い》らつしやいますか、ぢやアお兼《かね》どんお蒲団《ふとん》とお煙草盆《たばこぼん》をヘイ行《い》つていらつしやいまし」。主人「エヽ此辺《このへん》では如何《いかゞ》でござります。客「エヽ是《これ》は宜《よ》うがす、ナニ一|両《りやう》だとえ大層《たいそう》安いね、お貰《もら》ひ申《まうし》て置《お》きやせう、小僧《こぞう》さんまた木挽町《こびきちやう》の方《はう
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