わせると云う、飴細工の様な事も出来るから造作はないが、其の頃は医術が開けませんから、十分に療治も届きません。それ故段々|痛《いたみ》が烈《はげ》しくなり、随《したが》って気分も悪くなり、終《つい》にはどっと寝ました。ところが食《しょく》は固《もと》より咽喉《のど》へ通りませんし、湯水も通らぬ様になりましたから、師匠は益々|痩《やせ》るばかり、けれども顔の腫物《できもの》は段々に腫上って来まするが、新吉はもと師匠の世話になった事を思って、能《よ》く親切に看病致します。
新「師匠/\、あのね、薬の二番が出来たから飲んで、それから少し腫物の先へ布薬《ひきぐすり》を為《し》よう、えゝおい、寝て居るのかえ」
豐「あい」
と膝に手を突いて起上りますると、鼠小紋《ねずみこもん》の常着《ふだんぎ》を寝着《ねまき》におろして居るのが、汚れッ気《け》が来ており、お納戸色《なんどいろ》の下〆《したじめ》を乳の下に堅く〆《し》め、溢《くび》れたように痩せて居ります。骨と皮ばかりの手を膝に突いて漸《ようや》くの事で薬を服《の》み、
豐「ほッ、ほッ」
と息を吐《つ》く処を、新吉は横眼でじろりと見ると、も
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