くって、師匠などが水を汲むにいゝから、私が一つ桶屋に拵《こしら》えさして持って来た」
 とか、又朝早く行って、瓶《かめ》へ水を汲んで流しを掃除しようなどと手伝いに参ります。中には内々《ない/\》張子連《はりこれん》などと申しまして、師匠が何《どう》かしてお世辞の一言《ひとこと》も云うと、それに附込んで口説落《くどきおと》そうなどと云う連中《れんじゅう》、経師屋《きょうじや》連だの、或《あるい》は狼連などと云う、転んだら喰おうと云う連中が来るのでありますから、種々《いろ/\》親切に世話を致します。時々|浚《さら》いや何か致しますと、皆《みんな》此の男の弟子が手伝いに参りますが、ふと手伝いに来た男は、下谷《したや》大門町《だいもんちょう》に烟草屋《たばこや》を致して居《お》る勘藏と云う人の甥《おい》、新吉と云うのでございますが、ぶら/\遊んで居るから本石町《ほんこくちょう》四丁目の松田と云う貸本屋へ奉公に遣《や》りましたが、松田が微禄いたして、伯父の処へ帰って遊んでいるから、少し烟草を売るがいゝと云うので、掴《つかみ》煙草を風呂敷に包み、処々《ところ/″\》売って歩きますが、素《もと》より
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