の野郎」
 といいながら鬢《びん》の毛を引抜きました。同類は皆ちり/″\に逃げてしまったから、其の村方の名主へ訴え、名主からまたそれ/″\へ訴え、だん/\取調べになると、全く兄《あに》姉《あね》の仇討《かたきうち》に相違ないことが分り、花車は再び江戸へ引返し、惣吉は十六歳の時に名主役となり、惣右衞門の名を相続いたし、多助を後見といたしました。花車が手玉にいたしました石へ花車と彫り附け、之を花車石と申しまして今に下総の法恩寺|中《ちゅう》に残りおりまする。是で先《ま》ずお芽出度《めでたく》累ヶ淵のお話は終りました。
(拠小相英太郎速記)



底本:「圓朝全集 巻の一」近代文芸資料複刻叢書、世界文庫
   1963(昭和38)年6月10日発行
底本の親本:「圓朝全集巻の一」春陽堂
   1925(大正15)年9月3日発行
※「旧字、旧仮名で書かれた作品を、現代表記にあらためる際の作業指針」に基づいて、底本の表記をあらためました。
ただし、話芸の速記を元にした底本の特徴を残すために、繰り返し記号は原則としてそのまま用いました。同の字点「々」と同様に用いられている二の字点(漢数字の「二」を一
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