別に家《うち》を持たせ楽に暮させてお置きなすったものを私は悪い事をするのみならず、申すも恐ろしい事だが、惣右衞門|様《さん》をお賤と私とで縊《くび》り殺したのでございます、さ、斯《こ》う申したら嘸《さぞ》お驚きでございましょう、誰も知った者はありません、病死の積りで葬って仕舞ったが、人は知らずとも此の新吉とお賤の心には能《よう》く知って居りまする、畜生のような兄弟が斯《こ》うやって罪滅しの為夫婦の縁を切って、出家を遂げようと思いました処へ宗觀|様《さん》がおいでなすって、これ/\と話を聞いて見れば迚《とて》も生きては居《お》られません、此の鎌は女房のお累が自害をし、私《わっち》が人を殺《あや》めた草苅鎌だが、廻り廻って私《わっち》の手へ来たのは此の鎌で死ねという神仏《かみほとけ》の懲《こらし》めでございまするから、其のいましめを背かないで自害致しまする、私共《わたくしども》夫婦のものは、あなたの親の敵でございます、嘸《さぞ》悪《にく》い奴と思召《おぼしめし》ましょうから何卒《どうぞ》此の鎌でズタ/\に斬って下さいまし、お詫びの為《た》め一《ひ》と言《こと》申し上げますが、お前《まい》さ
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