八《ちょうはち》という者といゝ交情《なか》となって、また其処《そこ》をかけ出して出るような事に成って、深川|相川町《あいかわちょう》の島屋《しまや》と云う船宿を頼み、亭主は船頭をし、私は客の相手をして僅《わず》かな御祝儀を貰って何《ど》うやら斯《こ》うやらやって居る中《うち》に、私は亭主運がないと見え、長八がまた不図《ふと》煩いついたのが原因《もと》で、是も又死別れ、どうする事も出来ないから[#「出来ないから」は底本では「出事ないから」]心配して居ると、島屋の姐《ねえ》さんのいうには、迚《とて》もお前には辛抱は出来まいが[#「出来まいが」は底本では「出事まいが」]、思い切って堅気にならないかと云われ、小日向の方のお旗下の奥様がお塩梅が悪いので、中働《なかばたらき》に住み込んだ処が、これでも若い時分は此様《こん》な汚ない婆《ばゞ》アでもなかったから、殿様のお手が附いて、僅《わずか》な中《うち》に出来たのは此のお賤」

        八十八

 尼「此娘《これ》も世が世ならばお旗下のお嬢さまといわれる身の上だが、運の悪いというものは仕方がないもので、此のお賤が二歳《ふたつ》の時、其のお屋
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