いると疑るのだろう、そんな疑りがあって、私を女房にしようというのは余程《よっぽど》分らない、恐い人だね、もう止しましょう、書付《かきつけ》まで見せて、生涯身を任して力になろうと思う人がそう疑ってはお金も書付も渡されないから。止しにしましょう」
富「そういう訳ではない、決して疑る訳ではない、決して疑る訳では無いがね」
隅「だからさ疑る心が無ければ、一角さんは何処《どこ》にいると云ったって好《い》いじゃないか、どうして騙《だま》して金を取るのか、それをお云いよ」
富「うーん、それは一角がお前に惚れているのだから」
隅「そうかい」
富「前から惚れてる、それだから一角の処へ行って、お前がこう/\でございますから貴方御新造にしてお遣りなさい、就《つい》ては内証《ないしょう》に百両借金がありますから、之を払って遣れば直《すぐ》に此処《こゝ》へ来られる訳だ、出して下さいといえば是非金を出す…いゝえ出るに極っているのだから、出したら借金を払ってお前と二人で、ねえ、江戸へ行こう、こいつが宜《い》いじゃないか」
隅「どうも嬉しいことねえ、一角さんは何処にいるの」
富「うーン、それ」
隅「お
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