の始末で、からモウ仕様がねえ、何うかお願いでございますが些《ちっ》と許《ばか》り小遣《こづけえ》をお貰《もれ》え申し度《てえ》が、何うか些と許り借金を返《けえ》して江戸へでも帰《けえ》りてえ了簡も有るのですが、何うか新吉誠に無理だがお賤さんに願ってねえ、姉さんお願いでげすが些とばかり小遣《こづけえ》をねえ」
賤「はい困りますねえ、旦那が亡なりまして私は小遣《こづかい》も何もないのですが、沢山の事は出来ませんが、真《ほん》の志《こゝろ》ばかりで誠に少しばかりでございますが」
甚「イヽエもう」
賤「真の少しばかりでお足《た》しには成りますまいが、一杯召上って」
甚「ヘエ有難う、ヘエ」
と開けて見ると二朱金で二個《ふたつ》。
甚「是はお賤さんたった一分《いちぶ》で」
賤「はい」
甚「一分や二分じゃア借りたって私《わっち》の身の行立《ゆきた》つ訳は有りませんねえ、借金だらけだから些と眼鼻《めはな》を付けて私も何うか堅気《かたき》に成りてえと思ってお願い申すのだが、それを一分ばかり貰っても法が付かねえから、少し眼鼻の付く様にモウ些とばかり何うかね」
賤「おや一分では少ないと仰し
前へ
次へ
全520ページ中265ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
三遊亭 円朝 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング