ば七八《しちはち》の大きいので宜い病人の中へ這入って擦《さす》る者も広い方が宜いから」
與「直《じ》き往って来ましょう」
三「早く往って」
與[#「與」は底本では「三」]「ヘエ、お累様|直《じき》往って参《めえ》りますよ」
と親切な男で、飛ぶようにして蚊帳を取りに行《ゆ》きました。
三「暗くっていかぬから灯《あかり》を点《つ》けましょう、何処《どこ》に火打箱はあるのだえ、何所《どこ》に、え、竈《かまど》を持出して売ったア、呆れます何《ど》うも、家《うち》ではお飯《まんま》も喰わねえ了簡、左様《そう》云う悪《にく》い奴だ」
と段々手探りで台所の隅へ行って、
三「アヽ茲《こゝ》に在《あ》った/\」
と漸《ようや》く火打箱を取出しましてカチ/\打ちまするが、石は丸くなって火が出ない、漸くの事で火を附木《つけぎ》に移し、破れ行燈《あんどう》を引出して灯《あかり》を点《つ》け、善々《よく/\》お累の顔を見ると、実に今にも死のうかと思うほど痩衰えて、見る影はありませんから、兄三藏は驚きまして、
三「あゝお累、お前是は一通りの病気ではない余程の大病だよ、此の前に来た時は此様《こん》
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