が心配《しんぺえ》して、何うか手の切れる様に願《ねげ》えますと願掛すると利くてえ、妙なもので」
賤「そうかね、私はまア斯《こ》うやって羽生村へ来て、旦那の女房《おかみ》さんに、私の手が切れる様に願掛をされて、旦那に見捨てられては困るねえ」
作「なに心配《しんぺえ》しねえが宜《い》いだ、大丈夫《でえじょうぶ》、内儀《おかみ》さんは分った者《もん》で、それに若旦那が彼《あ》ア遣《や》って堅くするし、それに小さいけれども惣吉様も居るから其様《そん》な事はねえ、旦那は年い取ってるから、たゞ気に入ったで連れて来て、別に夢中になるてえ訳でもねえから、それに己連れて来たゞと云って話して、本家でも知ってるから心配《しんぺえ》ねえ、家《うち》も旦那どんの何《なん》で、貴方《あんた》が斯《こ》うしてと云って、旦那の誂《あつら》えだから家も立派に出来たゞのう」
賤「何《なん》だか茅葺《かやぶき》で、妙な尖《とが》った屋根なぞ、其様《そん》な広い事はいらないといったんだが、一寸《ちょっと》離れて寝る座敷がないといけないからってねえ、土手から川の見える処は景色が好《い》いよ」
作「好《よ》うがすね。ヤア
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