《やせおとろ》えた骨と皮ばかりの男の児が生れました。其の顔を新吉が熟々《つく/″\》見ると夢に見ました兄新五郎の顔に生写《いきうつ》しで、新吉はぞっとする程身の毛立って、
新「然《そ》うなれば此の家《うち》は敵同士《かたきどうし》と、夢にも兄貴が怨みたら/\云ったが、兄貴がお仕置に成りながらも、三藏に怨みを懸けたと見えて、その仇《あだ》の家《いえ》へ私が養子に来たと夢で其の事を知らせ、早く縁を切らなければ三藏の家《うち》へ祟《たゝ》ると云ったが、扨《さて》は兄貴が生れ変って来たのか、但《たゞ》しは又祟りで斯《こ》う云う小児《こども》が生れた事か、何《ど》うも不思議な事だ」
と其の頃は怨み祟りと云う事があるの或《あるい》は生れ変ると云う事も有るなどと、人が迷いを生じまして、種々《いろ/\》に心配を致したり、除《よけ》を致すような事が有りました時分の事で、所謂《いわゆる》只今申す神経病でございますから、新吉は唯《た》だ其の事がくよ/\心に掛りまして、
新「あゝもう悪い事は出来ぬ、ふッつり今迄の念を断って、改心致して正道《しょうどう》に稼ぐより外《ほか》に致し方はない、始終女房の身の上
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