をした者で気の利いた者ですが、貴方は牢を破ったなどゝとんだ悪事をなさいました、知れたら大事で、早く改心なすって頭を剃《す》って衣に着替え、姿を変えて私と一緒に国へお連れ申しましょう、貴方|何様《どん》なにもお世話を致しましょうから、悪い心を止《や》めてください、えゝ」
新五郎「下総の羽生村で三藏と云うは、何かえ、それは前に谷中七面前の下總屋へ番頭奉公した三藏ではないか」
新「えゝ能《よ》く貴方は御存知で」
新五郎「飛んだ処《とこ》へ手前|縁付《かたづ》いたな、其の三藏と言うは前々《まえ/\》朋輩《ほうばい》で、私《わし》が下總屋に居《い》るうち、お園という女を若気の至りで殺し、それを訴人したは三藏、それから斯様な身の上に成ったるも三藏故、白洲でも幾度《いくたび》も争った憎い奴で其の憎い念は今だに忘れん、始終憎い奴と眼を付けて居るが、そういう処へ其の方が縁付《かたづ》くとは如何《いか》にも残念、其の方もそういう処へは拙者が遣らぬ、決して行くな、是から一緒に逃去って、永《なげ》え浮世に短《みじ》けえ命、己と一緒に賊を働き、栄耀栄華《えようえいが》の仕放題《しほうだい》を致すがよい、心
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