ょうか」
女房「おや/\然《そ》うかえ、それじゃアね、亭主《うち》は居りませんが、總助《そうすけ》さんに頼んで引取ってお出《いで》なさい」
上「ヘイ有難うござります、それでは總助はんに頼んで引取りを入れまして」
と横着者で、これから總助と云う町代《ちょうだい》を頼んで、引取りを入れて、とう/\脊負って帰って来ました。
四
上「ヘエ只今總助はんにお頼み申して此の通り脊負《せお》うて参りました」
家主女房「おや大層立派な葛籠ですねえ」
上「ヘエ、これが無《の》うなってはならんと大層心配して居りました、ヘエ有難うござります」
女房「何《ど》うして其処《そこ》に棄てゝ行ったのでしょう」
上「それは私が不動の鉄縛《かなしばり》と云うのを遣りましたによって、身体が痺れて動かれないので、置いて行ったのでござりましょ、エヽ、ヘイ誠に有難いもので、旦那がお帰りになったら宜しゅうお礼の処を願います、ヘエ左様なら」
とこれから路次の角から四軒目《しけんめ》に住んで居りますから、水口《みずぐち》の処を明けて、
上「おい一寸手を掛けてくれえ」
妻「あい、おや立派な葛籠じ
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