日でも身動きが出来ねえ、然うすりゃア年をとったお母様《ふくろさま》はじめ妹御《いもうとご》も心配だ、其の心配を掛けさせ度《た》くねえからねえ、然う云う馬鹿があるめえものでもねえのサ、私などは随分|遣《や》り兼《かね》ねえ性質《たち》だ、忌々《いめえま》しいと思えば遣る性質だけれども、御恩になって居るから、旦那が殺したと思う気遣《きづけえ》もねえけれども、理屈を付ければまア何《ど》うでもなるのサ、彼様《あんな》に身代《くめん》のよくなるのも、些《ちっ》とは悪い事をして居るだろうぐらいの話をして居る奴もあるから、殺した跡で世間体が悪《わり》いから、死骸でも引取って、姪《めえ》とか何《なん》とか名を付けて、とい弔いをしなければ成るめえと、さ、訝《おか》しく勘繰《かんぐ》るといかねえから、他人に拾われねえ様に持って来たのだから、十日でも二十日でも留められて、引出されゝば入費《にゅうひ》が掛ると思って、只私の親切を二十両に買っておくんなさりゃア、是で博奕は止《やめ》るから、ねえモシ旦那え」
 三「コレ/\甚藏、然《そ》う汝《きさま》が云うと己が殺して死骸を引取って、葬りでもした様に疑《うたぐ》っ
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