ございますかえ」
 娘「はい私《わたくし》の身寄でございます」
 新「ヘエ道理でよく似ていらっしゃると思いました、イエ何、あのよく似たこともあるもので、江戸にも此様《こんな》事が有りましたから」
 下女「あんた、何処《どこ》に居るお方だい」
 新「私はあの直《じ》き近処《きんじょ》の者でげす、ヘエ土手の少し変な処《とこ》に一寸《ちょっと》這入って居ります」
 下女「土手の変な処《とこ》てえ蒲鉾小屋《かまぼこごや》かえ」
 新「乞食ではございません、其処《そこ》に懇意な者が有って厄介になって居るので」
 下女「そうかネ、それだら些《ちっ》と遊びにお出でなさえ、直《じ》き此の先の三藏と云うと知れますよ、質屋の三藏てえば直き知れやす」
 娘は頻《しき》りに新吉の顔を横眼で見惚《みと》れて居ると、何《ど》う云う事でございますか、お久の墓場の樒の※[#「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2−13−28]して有る間から一匹出ました蛇の、長さ彼《か》れ是《こ》れ三尺《さんじゃく》ばかりもあるくちなわ[#「くちなわ」に傍点]が、鎌首を立てゝズーッと娘の足元まで這って来た時は、田舎に馴れま
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