人柄の好《い》い、衣装《なり》は常着《ふだんぎ》だから好《よ》くはございませんが、なれども村方でも大尽《だいじん》の娘と思う拵《こしら》え、一人付添って来たのは肩の張ったお臀《しり》の大きな下婢《おんな》、肥《ふと》っちょうで赤ら顔、手織《ており》の単衣《ひとえ》に紫中形《むらさきちゅうがた》の腹合《はらあわせ》の帯、手桶を提げてヒョコ/\遣《や》って来て、
下女「お嬢様|此方《こちら》へお出でなさえまし、此処《こゝ》だよ、貴方《あんた》ヨ待ちなさえヨ、私《わし》能《よ》く洗うだからねえ、本当に可哀想だって、己《おら》ア旦那様泣いた事はないけれども、お久様が尋ねて来て、顔も見ねえでおッ死《ち》んでしまって憫然《ふびん》だって泣いただ、本当に可哀想に、南無阿弥陀仏/\/\」
新「これだ、えゝ少々物が承りとうございます」
下女「何《なん》だかい」
新「ヘエ」
下女「何だかい」
新「真中《まんなか》ですとえ」
下女「イヽヤ何《なん》だか聞くのは何だかというのよ」
新「ヘエと成程、この何《なん》ですかお墓は慥《たし》か川端で殺されて此の間お検死が済んで葬りになりました娘子様《む
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