居る処へ突然《いきなり》手が這入り、其処《そこ》を潜《くゞ》り抜けたが、烈しく追手《おって》が掛りますから、用水の中を潜り抜けてボサッカの中へ小さくなって居る処へ、新吉が落ちたから、驚いてニョコリと此の野郎が立ったから、新吉は又|怪物《ばけもの》が出たかと思って驚きましたが、新吉は襟がみを取られた時は、もう天命|極《きわ》まったとは思ったが、死物狂いで無茶苦茶に掻毟《かきむし》るから、此の土手の甚藏が手を放すと、新吉は逃げに掛る途端、腹這に倒れました。すると甚藏は是を追駈《おっか》けようとして新吉に躓《つま》づき向《むこう》の方へコロ/\と転がって、甚藏はボサッカの用水の中へ転がり落ちたから、此の間に逃げようとする。又|後《うしろ》から、
 甚「此の野郎」
 と足を取ってすくわれたから仰向に倒れる処へ、甚藏が乗掛って掴まえようとする処を、新吉が足を挙げて股を蹴《けっ》たのが睾丸《きんたま》に当ったから、
 甚「ア痛タ」
 と倒れる処を新吉が掴み付こうと思ったが、イヤ/\荷物を脇へ落したからと荷物を探す途端に、甚藏の面《つら》へ毟《むし》り付いたから、
 甚「此の野郎」
 と組付いた処を
前へ 次へ
全520ページ中122ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
三遊亭 円朝 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング