別《べつ》に製《せい》すのではない、普通《なみ》の汁粉《しるこ》へ唯《た》だちよいちよいと焼塩《やきしほ》を入《い》れるだけの事だ、夫《それ》から団子《だんご》、道明寺《だうみやうじ》のおはぎ抔《など》があるて。「へい/\、夫《それ》では何卒《どうぞ》ソノ塩餡《しほあん》と云《い》ふのを頂戴《ちやうだい》したいもので。「左様《さやう》か、暫《しばら》く控《ひか》へて居《ゐ》さつしやい。奥《おく》では殿様《とのさま》が手襷掛《たすきがけ》で、汗《あせ》をダク/\流《なが》しながら餡拵《あんごしら》へか何《なに》かして居《ゐ》らつしやり、奥様《おくさま》は鼻の先を、真白《まつしろ》にしながら白玉《しらたま》を丸めて居《ゐ》るなどといふ。「エヽ御前《ごぜん》、御前《ごぜん》。殿「何《なん》ぢや。「エヽ唯今《たゞいま》町人《ちやうにん》が参《まゐ》りまして、塩餡《しほあん》を呉《く》れへと申《まうし》ますが如何《いかゞ》仕《つかまつ》りませう。殿「呉《く》れろといふならやるが宜《よ》い。暫《しばら》くするとお姫様《ひめさま》が、蒔絵《まきゑ》のお吸物膳《すひものぜん》にお吸物椀《すひものわん》
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