士族の商法
三遊亭円朝

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)上野《うへの》

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)三|幅《ぷく》対《つひ》

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)一|杯《ぱい》[#「一|杯《ぱい》」は底本では「一|抔《ぱい》」]

/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)いろ/\
*濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」
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 上野《うへの》の戦争後《せんそうご》徳川様《とくがはさま》も瓦解《ぐわかい》に相成《あひなり》ましたので、士族《しぞく》さん方《がた》が皆《みな》夫々《それ/″\》御商売《ごしやうばい》をお始めなすつたが、お慣《な》れなさらぬから旨《うま》くは参《まゐ》りませぬ。御徒士町辺《おかちまちあたり》を通《とほ》つて見るとお玄関《げんくわん》の処《ところ》へ毛氈《もうせん》を敷詰《しきつ》め、お土蔵《くら》から取出《とりだ》した色々《いろ/\》のお手道具《てだうぐ》なぞを並《なら》べ、御家人《ごけにん》やお旗下衆《はたもとしゆう》が道具商《だうぐや》をいたす
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