しよくわん》を愛してゐられます、先日《せんじつ》歳暮《せいぼ》に参《まゐ》つたら松《まつ》と梅《うめ》の地紋《ぢもん》のある蘆屋《あしや》の釜《かま》を竹自在《たけじざい》に吊《つ》つて、交趾《かうち》の亀《かめ》の香合《かうがふ》で仁清《にんせい》の宝尽《たからづく》しの水指《みづさし》といふので一ぷく頂戴《ちやうだい》しました。乙「ダガ福禄寿《ふくろくじゆ》には白鹿《はくろく》が側《そば》に居《ゐ》なければなるまい。甲「折々《をり/\》話《はな》しかを呼びます。乙「成程《なるほど》、ダガ此度《こんど》はむづかしいぜ、毘沙門《びしやもん》は。甲「ハテ岩崎弥之助君《いはさきやのすけくん》です、何《なん》だつて日本銀行総裁《にほんぎんかうさうさい》といふのだから金《きん》の利《り》ばかりも何《ど》の位《くらゐ》あがるか大層《たいさう》な事です、アノ御方《おかた》の槍《やり》でも突《つ》いて立つた姿は、毘沙門天《びしやもんてん》の相《さう》もあります、使者《つかひしめ》は百足《むかで》だと云《い》ふから百足《むかで》が幾千疋《いくせんびき》居《ゐ》るか知れねえから、金《きん》の足が何《ど》
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