七福神詣
三遊亭円朝

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)元日《ぐわんじつ》

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)七|福神《ふくじん》詣《まゐ》り

/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)ギシリ/\
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「元日《ぐわんじつ》や神代《かみよ》のことも思はるゝ」と守武《もりたけ》の発句《ほつく》を見まして、演題《えんだい》を、七|福神《ふくじん》詣《まゐ》りとつけましたので御座《ござ》ります。まづ一|陽《やう》来復《らいふく》して、明治三十一年一|月《ぐわつ》一|日《じつ》の事で、下谷広小路《したやひろこうぢ》を通《とほ》る人の装束《なり》は、フロツクコートに黒の山高帽子《やまたかばうし》を戴《いただ》き、玉柄《ぎよくえ》のステツキを携《たづさ》へ、仏蘭西製《ふらんすせい》の靴《くつ》を履《は》き、ギシリ/\とやつて参《まゐ》りハタと朋友《ほういう》に行逢《ゆきあ》ひまして、甲「イヨーお芽出《めで》たう、旧冬《きゆうとう》は何《なに》かと。乙「ヤお芽出《めで》たう存《ぞん》じます、相変《あひかは》らず、君《き
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