行倒の商売
三遊亭円朝

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)是《これ》

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)二百|遣《や》る

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 是《これ》は当今《たうこん》では出来《でき》ませぬが、昔時《むかし》は行倒《ゆきだふれ》を商売《しやうばい》にして居《ゐ》た者があります。無闇《むやみ》に家《うち》の前《まへ》へ打倒《ぶつたふ》れるから「まアお前《まへ》何所《どこ》かへ行《い》つて呉《く》れ。乞「何《ど》うも私《わたくし》は腹《はら》が空《へ》つて歩かれませぬ、其上《そのうへ》塩梅《あんばい》が悪《わる》うございまして。と云《い》ふから仕方《しかた》なしに握飯《むすび》の二個《ふたつ》に銭《ぜに》の百か二百|遣《や》ると当人《たうにん》は喜んで其場《そのば》を立退《たちの》くといふ。是《これ》が商売《しやうばい》になつて居《ゐ》ました。或時《あるとき》此奴《こいつ》が自分の日記帳を落《おと》した。夫《それ》を拾《ひろ》つて読《よ》んで見る
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