根岸お行の松 因果塚の由来
三遊亭圓朝
鈴木行三校訂・編纂

−−
【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)大小を帯《さ》して

|:ルビの付いていない漢字とルビの付く漢字の境の記号
(例)段々|来《きた》って見ると

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)因縁の※[#「※」は「「夕」+「寅」を上下に組み合わせる」、第4水準2−5−29、436−8]《まつ》わる

/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)そよ/\
   つく/″\(濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」)
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        一

 昔はお武家が大小を帯《さ》してお歩きなすったものですが、廃刀以来幾星霜を経たる今日に至って、お虫干の時か何かに、刀箪笥から長い刀《やつ》を取出《とりいだ》して、これを兵児帯《へこおび》へ帯して見るが、何《ど》うも腰の骨が痛くッて堪らぬ、昔は能《よ》くこれを帯して歩けたものだと、御自分で駭《おどろ》くと仰しゃった方がありましたが、成程是は左様でござりましょう。なれども昔のお武家は御気象が至って堅い、孔子や孟子の口真似をいた
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