々見たように結って、柾《まさき》の嫩《やわら》っこい葉でピイ/\を拵《こしら》えて吹いてたのが、此様《こん》な大《でか》くなって、綺麗な情夫《おとこ》を連れて突走《つッぱし》って来たか、自分の年い老《と》ったのは分んねえが、汝《われ》が大《えか》くなったで知れらア、心配《しんぺえ》せねえでも宜《え》い、お母《ふくろ》さまが置くも置かねえもねえ、何うしても男と女はわるさアするわけのものだ、心配《しんぺえ》せねえでも宜《え》い、どうせ聟養子《むこようし》をせねえばなんねえ、われが死んだ父《とっ》さまの達者の時分からの馴染《なじみ》で、己が脊中で眠《ね》たり、脊中で小便《はり》垂れたりした娘子《あまっこ》が、大《でか》くなったゞが、お前さんもまんざら忌《いや》ならば此様《こん》な処まで手を引張《ふっぱ》って逃げてめえる気遣《きづけ》えもねえが、宿屋の婿《むこ》になったら何うだ、屎草履《くそぞうり》を直さねえでも宜《え》いから」
梅「それは有難い事で、何《ど》の様《よう》な事でもいたしますが、拙者は屋敷育ちで頓《とん》と知己《しるべ》もござらず、前町《まえまち》に出入町人はございますが、前町の
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