》しばかりも何《ど》の位飲ましたか知れやしません、芸を仕込めば物覚えが悪く、其の上|感所《かんどころ》が悪いもんだから、撥《ばち》のせい尻《じり》で私は幾つ打《ぶ》ったか知れません、踊《おどり》を習わせれば棒を呑んだ化物《ばけもの》を見たように突立《つッたッ》てゝしょうが無かったのを、漸々《よう/\》此の位に仕上げたから、これから私が楽をしようと思ってるに、否《いや》も応《おう》もあるものか、親の言葉を背く餓鬼ならば女郎《じょうろ》にでも叩き売って仕舞います、利《き》いた風《ふう》な、芸一方で売るって私は知らねえ振りをしていれば、手前《てめえ》の好いた男なら上流《うわて》くんだりまで往って寝泊りをして来やアがるだろう、私は知るめえと思ってようが、芝口《しばぐち》の袋物屋の番頭に血道を揚げて騒いでいやアがる癖に」
 月「まア静《しずか》におしよ、世間へ聞えると見《みっ》ともない、お村はんは私が篤《とっ》くり意見をして得心させるから私にお任せよ」
 と泣いて居りまするお村の手を取って二階へ連れて上り、
 月「お村はん勘忍しておくれよ、本当に邪慳《じゃけん》なお母《っか》さんだ、太い煙管でお
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