見てえだろう」
森「違《ちげ》えねえ、己もそう思っている、だがね旦那と揃う娘がねえ、器量は揃っても旦那と了簡の出会《でっくわ》せる女がねえ」
國「処がこれならばというお嬢さんがあるのだ」
森「どこに/\どこだえ」
國「ボヤ/\でも尋ねるようだ、此処《こゝ》においでなさるお嬢さんよ、此のお嬢さんを知ってるか」
森「知ってる、これは思掛《おもが》けねえ、知ってるとも、お前さんの処《とこ》のお父《とっ》さんが目が悪くって、お前《めえ》さんが天神様でお百度をふみ、雪に悩んで倒れている処へ家《うち》の旦那が通り掛り、薬を服《の》ませて立花屋で薬をやった時、旦那がお前《めえ》さんは感心だ、裙捌《すそさば》きが違うと云って大変|褒《ほ》めた、そうして金をやった時、あなたは受けねえと云うと、旦那が満腹だと云った」
國「満腹は腹のくちくなった時のことだ」
森「何《なん》とか云ったねえ」
國「感服だろう」
森「感服だ、感服だと褒めた、旦那が女を褒めたことはねえが、この嬢《ねえ》ちゃんばかりは褒めた、お父《とっ》さんはどうしましたえ」
國「お亡《かく》れになった」
森「お亡れになってど
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