文治郎ぐっと癇癪が高ぶりましたなれども顔を和《やわ》らめて
文「成程、これは三百両、能くまア三百両という大金を友之助|風情《ふぜい》へ御用立《ごようだて》下さいました、先生、これは三百両となりましては友之助にはとても返済にはなりませんが、万一返済の出来ぬ時はお村をお取上《とりあげ》で、それで御勘弁に相成りますので」
蟠「左様さ、金を返さぬければお村を上げると当人が云ったから抵当《かた》に取上げます」
文「とても友之助には返済は出来ません、手前も償《つぐの》う力もありません、お村をお取上で御勘弁になりますか、御舎弟様に一応お聞きを願います」
蟠作「当然《あたりまえ》のことだ、手前は掛合に来るに何故金を持って来ない、片々聞《かた/″\ぎき》では事柄は分らぬ、金を返さぬでお村を返せと云って誰が返す、お村を取返すなれば金を拵《こしら》えて持って来て云え、煙草|一吹《いっぷく》喫《の》む間|後《おく》れゝばお村は返さぬから、左様心得ろ」
文「へい、それでは三百金の抵当《かた》にお村をお取上で何処《どこ》までも御勘弁に相成るので」
蟠「知れたことだ、どんなことがあっても返さぬぞ、何《な
前へ
次へ
全321ページ中241ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
三遊亭 円朝 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング