めえ》のような奴に何《なん》と言ったって再び娘は遣りゃアしねえからそう思いなよ」
 友「お母《っかあ》それはねお前が腹を立つのは尤《もっと》もだけれども、是には種々《いろ/\》な深い訳のあることで、私も此方様へ二月からお出入して、初めはやれこれ云って有難い花主《とくい》と思って、此様《こんな》に人を欺《だま》すようなことをなさろうとは思わなかったが、後月《あとげつ》来たら碁を打て/\と先生が勧めるから、お相手の積りで碁を打って、初めは私に飴を食わせ、勝たして置いて賭碁をしろと仰しゃり、向うの企《たく》みとは知らず、洒落と思ってうっかり証文を書いたのが私の過《あやま》りだ、過りだけれども金は百両しか借りはしない、だが三百両でなければお村は返さないと仰しゃるから、どんなにも才覚してお村を取返しに来ようし、後《あと》でお前に話をするからお村だけは何卒《どうぞ》私の方へ返して下さい」
 母「誰が手前《てめえ》に返す奴があるものか……これお村、手前《てめえ》もこんな不人情な奴にくっついていたって仕様がねえ、諦めの着くように判然《はっきり》と云って仕舞いなよう、愚図々々するから此奴《こいつ》がこけ
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