だから気に掛りますが、四月|三十日《みそか》に金子を返す訳に往《ゆ》かぬから言訳に参りますと、
蟠[#「蟠」は底本では「友」と誤記]「馬鹿ア言え、貴様に貸す金を取ろうとは思わぬ、又是れから買う品物で段々差引くから宜しい」
と云うからそうと心得て居りますと、五月十五日にお客があるから女房のお村を働きに貸してくれとの頼みです。以前芸妓だそうで定めて座の取廻わしも好かろう、当家には三味線《さみせん》がないから持参で夫婦揃って来て、客の待遇《あしらい》を頼むと云うから、友之助は余儀なく女房自慢でお村を立派に着飾らせ、自分も共々行ってお客の待遇を為し、其の晩は夜《よ》も更けましたから今夜は一泊するが宜《よ》いと云うので、夫婦諸共に一泊いたし、翌朝《よくあさ》になりますと友之助は商いに行《ゆ》き、お村は跡に片附《かたづけ》ものもあるから、もう一日貸せと云うので、友之助は商いを仕舞って迎いに来ようと思ったが、そこは外見《みえ》で女房の跡を追掛《おいか》けるようでいかぬから、銀座へ泊って翌日行《ゆ》くと種々《いろ/\》跡に取込《とりこみ》があり、親類の客があるし、お村の清元を聴かせたいから、もう少
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