業平文治漂流奇談
三遊亭圓朝
鈴木行三校訂編纂

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)由縁《ゆかり》

|:ルビの付いていない漢字とルビの付く漢字の境の記号
(例)以前|下谷《したや》

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)[#「し」に「本ノマヽ」と注記]

/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)いと/\
   細々《こま/″\》(濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」)
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 むかしおとこありけるという好男子に由縁《ゆかり》ありはらの業平文治《なりひらぶんじ》がお話はいざ言問わんまでもなく鄙《ひな》にも知られ都鳥の其の名に高く隅田川《すみだがわ》月雪花《つきゆきはな》の三《み》つに遊ぶ圓朝《えんちょう》ぬしが人情かし[#「し」に「本ノマヽ」と注記]ら有為転変《ういてんぺん》の世の態《さま》を穿《うが》ち作れる妙案にて喜怒哀楽の其の内に自ずと含む勧懲の深き趣向を寄席《よせせき》へ通いつゞけて始めから終りを全く聞きはつることのいと/\稀《ま》れなるべければ其の顛末《もとすえ》を洩さずに能《よ》く知る人
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