孝「それから私《わたくし》が本意を遂げられましょうかと聞くと、本意を遂げるは遠からぬうちだが、遁《のが》れ難《がた》い剣難が有ると申しました」
相「へえ剣難が有ると云いましたか、それは極《ごく》心配になる、又昨日のような事があると大変だからねえ、其の剣難は何《ど》うかして遁れるような御祈祷でもしてやると云ったか」
孝「いえ左ような事は申しませんが、貴方《あなた》も御存じの通り私《わたくし》が四歳の時別れました母に逢えましょうか、逢えますまいかと聞くと、白翁堂は逢っていると申しますから、幼年の時に別れたる故、途中で逢っても知れない位だと申しても、何《なん》でも逢っていると申し遂《つい》に争いになりました」
相「ハアそこの所は少し下手糞だ、併《しか》し当るも八卦《はッけ》当らぬも八卦、そう身の上も何もかも当りはしまいが、強情を張ってごまかそうと思ったのだろうが、其所《そこ》の所は下手糞だ、なんとか云ってやりましたか、下手糞とか何とか」
孝「すると後《あと》から一人四十三四の女が参りまして、これも尋ねる者に逢えるか逢えないかと尋ねると、白翁堂は同じく逢っているというものだから、其の女はなに
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