て貴様の手にかゝり、猶《なお》委細の事は此の書置に認《したゝ》め置いたれば、跡の始末は養父相川新五兵衞と共に相談せよ、貴様はこれにて怨《うらみ》を晴してくれ、然《しか》る上は仇《あだ》は仇恩は恩、三|世《せ》も変らぬ主従《しゅうじゅう》と心得、飯島の家《いえ》を再興してくれろ、急いで行《ゆ》けと急《せ》き立てられ、養家先なる水道端の相川新五兵衞の宅へ参り、舅と共に書置を開いて見れば、主人は私を出した後《あと》にて直《す》ぐに客間《きゃくのま》へ忍び入り源次郎と槍試合をして、源次郎の手に掛り、最後をすると認めてありました書置の通りに、遂《つい》に主人は其の晩|果敢《はか》なくおなりなされました、又源次郎お國は必ず越後の村上へ立越すべしとの遺書にありますから、主《しゅう》の仇を報わん為《た》め、養父相川とも申し合せ、跡を追いかけて出立致し、越後へ参り、諸方を尋ねましたが一向に見当らず、又あなたの事もお尋ね申しましたが、これも分りません故、余儀なく此の度《たび》主人の年囘をせん為めに当地へ帰りました所、不図《ふと》今日御面会を致しますとは不思議な事でございます」
 と聞いて驚き小声に成り、

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