分らぬ位でありまするから、一緒に居りましても互いに知らずに居りましたかな」
白「いや/\何でも逢って居ます」
孝「少《ちい》さい時分に別れましたから、事に寄ったら往来で摩《す》れ違った事もございましょうが、逢った事はございません」
白「いや/\そうじゃない、慥《たし》かに逢っている」
孝「それは少さい時分の事|故《ゆえ》」
白「あゝ煩《うる》さい、いや逢っていると云うのに、外《ほか》には何も云う事はない、人相に出ているから仕方がない、屹度《きっと》逢っている」
孝「それは間違いでございましょう」
白「間違いではない、極《き》めた所を云ったのだ、それより外に見る所はない、昼寝をするんだから帰っておくれ」
とそっけなく云われ、孝助は後《あと》を細かく聞きたいからもじ/\していると、また門口より入《い》り来るは女連れの二人にて、
女「はい御免下さいませ」
白「あゝ又来たか、昼寝が出来ねえ、おゝ二人か何一人は供だと、そんなら其処《そこ》に待たして此方《こっち》へお上り」
女「はい御免くだされませ、先生のお名を承わりまして参りました、どうか当用《とうよう》の身の上を御覧を願います」
白「はい此
前へ
次へ
全308ページ中263ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
三遊亭 円朝 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング