口から、
孝「御免下さいまし、只今帰りましたよ、これ/\善藏どん/\」
善「なんだよ、掃除屋が来たのかえ」
孝「ナニ私だよ」
善「おやこれはどうも、誠に失礼を申上げました、いつも今時分掃除屋が参りまするものですから、粗相を申しましたが、よくマア早くお帰りになりました、旦那様々々孝助様がお帰りになりました」
相「なに孝助殿が帰られたとか、何処《どこ》にお出《い》でになる」
善「へい、お台所にいらっしゃいます」
相「どれ/\、これはマア、何《な》んで台所などから来るのだ、そう云えば水は汲んで廻すものを、善藏コレ善藏何をぐる/\廻って居《お》るのだ、コレ婆《ばゞ》ア孝助どのがお帰りだよ」
婆「若旦那がお帰りでございますか、これはマア嘸《さぞ》お疲れでございますだろう、先《ま》ず御機嫌宜しゅう」
孝「お父様《とっさま》にも御機嫌宜しゅう、私《わたくし》も都度々々《つど/\》書面を差上げたき心得ではございまするが、何分旅先の事ゆえ思うようにはお便《たよ》りも致し難《がた》く、お父様は何うなされたかと日々お案じ申しまするのみでございましたが、先ずはお健《すこや》かなる御顔《おんかお》を拝しまして誠
前へ 次へ
全308ページ中243ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
三遊亭 円朝 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング