ついて妾と成ったが今のお國で、源次郎と不義をはたらき、恩ある主人の飯島を斬殺《きりころ》し、有金《ありがね》二百六十両に、大小を三腰とか印籠を幾つとかを盗み取り逐電《ちくでん》した人殺しの盗賊《どろぼう》だ、すると後《あと》から忠義の家来|藤助《とうすけ》とか孝助とか云う男が、主人の敵《かたき》を討ちたいと追《おっ》かけて出たそうだ、私の思うのは、あれは君に惚れたのではなく、源次郎が可愛《かあい》いからお前の云う事を聞いたなら、亭主のためになるだろうと心得、身を任せ、相対間男《あいたいまおとこ》ではないかと僕は鑑定するが、今聞けば急に越後へ立つと云い、僕をはいて君独り寝ている処へ源次郎が踏込んでゆすり掛け、二百両位の手切れは取る目算に違《ちげ》えねえが、君は承知かえ、だから君は今夜こゝに泊っていてはいけねえから、僕と一緒に何処《どっ》かへ女郎買に行ってしまい、あいつ等《ら》二人に素股《すまた》を喰わせるとは何《ど》うだえ」
伴「むゝ成程、そうか、それじゃアそうしよう」
 と連立《つれだ》ってこゝを立出《たちい》で、鶴屋という女郎屋へ上《あが》り込む。後《あと》へお國と源次郎が笹屋へ来て
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