あたりへ身を隠し、もう一と花咲かせ巨《でっ》かくやりてえと思うんだが、お前|最《も》う一度|跣足《はだし》になって苦労をしてくれる気はねえか」
みね「私だって無理に別れたいと云う訳でもなんでもありませんが、今に成ってお前が私を邪慳《じゃけん》にするものだから、そうは云ったものゝ、八年|以来《このかた》連添っていたものだから、お前が見捨てないと云う事なら、何処《どこ》までも一緒に行こうじゃアないか」
伴「そんなら何も腹を立てる事はねえのだ、これから中直《なかなお》りに一|杯《ぺい》飲んで、両人《ふたり》で一緒に寝よう」
 と云いながらおみねの手首を取って引寄せる。
みね「およしよ、いやだよウ」
 川柳《せんりゅう》に「女房の角を□□□でたゝき折り」で忽《たちま》ち中も直りました。それから翌日は伴藏がおみねに好きな衣類《きもの》を買って遣《や》るからというので、幸手へまいり、呉服屋で反物《たんもの》を買い、こゝの料理屋でも一杯やって両人《ふたり》連れ立ち、もう帰ろうと幸手を出て土手へさしかゝると、伴藏が土手の下へ降りに掛るから、
みね「旦那、どこへ行《ゆ》くの」
伴「実は江戸へ仕入《しいれ
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