な娘だが婚礼をしてくだされ、これ婆、明日《あした》は孝助殿が目出度《めでた》く御出立だ、そこで目出度い序《つい》でに今夜婚礼をする積りだから、徳に髪でも取り上げさせ、お化粧でもさせて置いてくれ、其の前に仕事がある、此の金を襦袢へ縫込んでくれ、善藏や、手前は直《すぐ》に水道町の花屋へ行って、目出度く何か頭付《かしらつ》きの魚を三枚ばかり取って来い、序でに酒屋へ行って酒を二升、味淋《みりん》を一升ばかり、それから帰りに半紙を十|帖《じょう》ばかりに、煙草を二玉に、草鞋《わらじ》の良いのを取って参れ」
といい付け、そうこうするうちに支度も整いましたから、酒肴《さけさかな》を座敷に取並べ、媒妁《なこうど》なり親なり兼帯《けんたい》にて、相川が四海浪静かにと謡《うた》い、三々九度の盃事《さかずきごと》、祝言の礼も果て、先《ま》ずお開きと云う事になる。
相「あゝ/\婆ア、誠に目出度かった」
婆「誠にお目出とう存じます、私《わたくし》はお嬢様のお少《ちい》さい時分からお附き申して御婚礼をなさるまで御奉公いたしましたかと存じますと、誠に嬉しゅうございます、あなた嘸《さぞ》御安心でございましょう」
相
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