ちっ》とも目出たい事も何《なん》にもない。何《ど》うして金が出たであろうと不審が晴れないで居りますと、
飯「女どもを皆《みんな》こゝへ呼んでくれ」
國「お竹どん、おきみどん皆《みんな》こゝへお出《い》で」
竹「只今承わりますればお金が出ましたそうでおめでとう存じます」
君「殿様誠におめでとうございます」
飯「孝助も源助もこゝへ呼んで来い」
女「孝助どん源助どん、殿様がめしますよ」
源「へい/\、これ孝助お詫事《わびごと》を願いな、お前は全く取らないようだが、お前の文庫の中から胴巻が出たのがお前があやまり、詫ごとをしなよ」
孝「いゝよ、いよ/\お手打になるときは、殿様の前で私《わたくし》が列《なら》べ立てる事がある、それを聞くとお前は嘸《さぞ》悦ぶだろう」
源「なに嬉しい事があるものか、殿様が召すからマア行こう」
 と両人|連立《つれだ》ってまいりますと、
飯「孝助、源助、此方《こっち》へ来てくれ」
源「殿様、只今部屋へ往って段々孝助へ説得を致しましたが、どうも全く孝助は盗《と》らないようにございます、お腹立《はらだち》の段は重々|御尤《ごもっとも》でござりますが、お手打の儀は何卒《なに
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