怪談牡丹灯籠
怪談牡丹灯籠
三遊亭圓朝
鈴木行三校訂・編纂

−−
【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)寛宝《かんぽう》

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)大層|参詣《さんけい》の

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
   (数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「廴+囘」、第4水準2−12−11]

/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)へい/\
*濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」
−−

        一

 寛宝《かんぽう》三年の四月十一日、まだ東京を江戸と申しました頃、湯島天神《ゆしまてんじん》の社《やしろ》にて聖徳太子《しょうとくたいし》の御祭礼《ごさいれい》を致しまして、その時大層|参詣《さんけい》の人が出て群集雑沓《ぐんじゅざっとう》を極《きわ》めました。こゝに本郷三丁目に藤村屋新兵衞《ふじむらやしんべえ》という刀屋《かたなや》がございまして、その店先には良い代物《しろもの》が列《なら》べてある所を、通りかゝりました一人のお侍は、年の
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