く》ふ物も喰《く》はずに修業《しゆげふ》して歩き、金子《かね》を蓄《ため》た人ですから少しは貯金《こゝろがけ》がありましたらう。金「いえ何《なに》もありませぬよ、何卒《どうぞ》皆《みな》さん此方《こちら》へお出《いで》なすつてナニ本堂《ほんだう》で莨《たばこ》を喫《の》んだつて構《かま》やアしませぬ。其中《そのうち》に和尚《をしやう》が出て来《く》る。和「ハイ何《ど》うも御愁傷《ごしうしやう》な事で。金「何卒《どうぞ》一ツ何《なん》とでも戒名《かいめう》をお附《つけ》なすつて。此仏《このほとけ》は是々《これ/\》で餅《もち》と金《かね》を一緒に食《く》つて死んだのでげすから、とも申《まう》されませんが、戒名《かいみやう》を見ると「安妄養空信士《あんもうやうくうしんじ》」と致《いた》して置かれたのには金兵衛《きんべゑ》が驚《おどろ》きました。金「成程《なるほど》、是《これ》は面白《おもしろ》うがすな。和「夫《それ》では引導《いんだう》を渡《わた》して上《あ》げよう。グワン/\と鉦《かね》を打鳴《うちなら》し、和「南無喝※[#「口+羅」、第3水準1−15−31]怛那《なむからたんの》、※[
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