《くれ》ろと申《まう》すことで。「成程《なるほど》、夫《それ》は何《ど》うも御奇特《ごきどく》な事で、お前《まい》が葬式《とむらひ》を出して呉《く》れゝば誠に有難《ありがた》いね、ぢやア何分《なにぶん》お頼《たの》ウ申《まうし》ますよ、今に私《わたし》も行《ゆ》きますが、早桶《はやをけ》や何《なに》かの手当《てあて》は。金「ナニ宜《よろ》しうございます、湯灌《ゆくわん》や何《なに》かもザツと致《いた》しまして、早桶《はやをけ》と云《い》つては高いものですし何《ど》うせ焼《や》いて了《しま》ふもんですから沢庵樽《たくあんだる》か菜漬樽《なづけだる》にでも入《い》れませう。「夫《それ》が宜《よ》からう、ソコでお前《まへ》さんは施主《せしゆ》の事《こと》だから袴《はかま》でも着《つ》けるかい。金「ナニ夜分《よる》の事《こと》でげすから襦袢《じゆばん》をひつくり返して穿《は》きます。「デモ編笠《あみがさ》は被《かぶ》らなければなるまい。金「ナニ三俵《さんだら》ポツチでも被《かぶ》つて摺小木《すりこぎ》でも差《さ》して往《ゆ》きませう。「可笑《をか》しいな、狐《きつね》にでも化《ばか》されたやう
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