世界の日本乎、亞細亞の日本乎
竹越三叉
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日本は自ら足れりとする乎。將た之を廣大ならしむべき乎。偉大を好む國民は、自ら進みて此の問題を解釋し、國人が發見したる新島嶼を收并するをすら拒絶して、以て退守自ら安ぜんとせる當局を刺激して、日本を廣大ならしむ。知らず廣大にせられたる此の日本をして[#「知らず廣大にせられたる此の日本をして」に白丸傍点]、『世界の日本[#「世界の日本」に白丸傍点]』たらしめんとする乎[#「たらしめんとする乎」に白丸傍点]。抑もまた[#「抑もまた」に白丸傍点]『亞細亞の日本[#「亞細亞の日本」に白丸傍点]』たらしめんとする乎[#「たらしめんとする乎」に白丸傍点]。
世は戰勝の凱歌に醉ふて、頻りに世界の日本と號し、地球上の大國民と號し、揚々乎として前後を察せず。然も知らずや、此中、日本を以て亞細亞に繋け、日本人民を蒙古人種に係け、日本の勝利を以て亞細亞
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