傍点]。思ふに我國民は已に[#「思ふに我國民は已に」に二重丸傍点]『朝鮮に於ける勢力[#「朝鮮に於ける勢力」に二重丸傍点]』を占有するの虚榮を見て歡喜せり[#「を占有するの虚榮を見て歡喜せり」に二重丸傍点]。是より英國の[#「是より英國の」に二重丸傍点]アイルランド[#「アイルランド」に二重傍線]に於けるが如き[#「に於けるが如き」に二重丸傍点]、病苦を甞むるの時來るべし[#「病苦を甞むるの時來るべし」に二重丸傍点]、而して[#「而して」に二重丸傍点]アイルランド[#「アイルランド」に二重傍線]が[#「が」に二重丸傍点]、英國百年の政黨歴史を打破して新たに政黨の分合を作り[#「英國百年の政黨歴史を打破して新たに政黨の分合を作り」に二重丸傍点]、年々内閣更迭の原因たりしが如く[#「年々内閣更迭の原因たりしが如く」に二重丸傍点]、新政治界を攪亂する根弊[#「新政治界を攪亂する根弊」に二重丸傍点]、宿病必らずや之より來らん[#「宿病必らずや之より來らん」に二重丸傍点]。朝鮮は獨り外交の深憂大患たるのみならず、また實に内政上の大病根たらん。而して其病疾淵源する所[#「而して其病疾淵源する所」に白丸傍点]、實に朝鮮が半上[#「實に朝鮮が半上」に白丸傍点]、落下[#「落下」に白丸傍点]、歸着する所なき半保護國たるの性質にありて存ず[#「歸着する所なき半保護國たるの性質にありて存ず」に白丸傍点]。
然らば即ち朝鮮を如何せん乎。今日は之を開陳すべき機會にあらず。今日は唯だ外交内治の深憂大患を封じたる蝮蛇の卵を受けて後に欣舞するの不可なるを示めさんとするのみ。吾人の豫言の當る恐らくは十年を出でじ[#「吾人の豫言の當る恐らくは十年を出でじ」に二重丸傍点]。若しも吾人の豫言をして人の杞憂に止らしめば[#「若しも吾人の豫言をして人の杞憂に止らしめば」に二重丸傍点]是れ皇天の特恩のみ[#「是れ皇天の特恩のみ」に白丸傍点]。
[#地付き](明治二十八年四月二十三日「國民之友」)
底本:「明治文學全集 36 民友社文學集」筑摩書房
1970(昭和45)年4月30日初版第1刷発行
1983(昭和58)年10月1日初版第3刷発行
初出:「國民之友 第二百五十一號」民友社
1895(明治28)年4月23日発行
入力:kamille
校正:川山隆
2008年5月18日作成
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