……宮中に出入りして悪魔の正体を見届けるため……そのために総理大臣になったのだ。それも自分からなったのではない。王様が無理になすったのだ。紅木大臣をこんな目に合わせたのは私ではない……王様でもない……」
 こう申しますと、沢山の生首は一時に口を揃えて――
「そんなら誰だ」
 と申しました。
 青眼先生は云おうとして云う事が出来ずに、ワナワナと戦《おのの》きながら身のまわりを見まわしますと、沢山の生首が皆一心に自分を見つめて、今にも飛びかかりそうにしています。そうしてその真中の自分の足下《あしもと》には鉄と氷の二タ通りの死骸が虚空を掴んで倒れたまま、これも自分を睨んでいます。青眼先生はその氷の死骸を指して――
「ココココココ……此奴《こいつ》だ」
 と叫ぶと一所に力が尽きて、ウーンと云って気絶してしまいました。
 するとこの時又もや耳の傍で不意に――
「青眼総理大臣閣下へお祝いを申し上げます」
 と云う声が聞こえましたから、誰かと思ってフッと眼を開きますと、こは如何に、最前から見たのはすっかり夢で、自分はちゃんと旧《もと》の寝台《ねだい》の上に寝たままでした。そうして寝台の周囲には最前の
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