…この家を咀《のろ》った宝蛇はどこへ行ったであろう。差し当り先ずこれから探り出さねばなるまい。
 気の毒なのはこの家《うち》の人々だ。家《うち》中すっかり美紅姫に魅入った悪魔のために咀われてしまった。そして私はそれを助ける事が出来なかった。私の力が及ばぬとはいいながら二人までも死人を出してしまった。この家の人々は嘸《さぞ》私を怨んでおいでになるであろう。嘸《さぞ》頼み甲斐の無い奴と思っておいでになるであろう。
 けれども仕方がない。その申訳をすればこの国の秘密をすっかり話して終わなければならないのだから。噫、この秘密……誰にも話す事の出来ないこの秘密。焼いて灰にしてあの銅の壺に入れた秘密。そしてそれを番するという、世にも六《むず》ケしい私の秘密の役目。国中の人間を皆殺しても、守らねばならぬ秘密の役目。何という不思議な六ケしい役目であろう。噫、私は何故《なぜ》青い眼に生れたろう。青い髪毛《かみのけ》と青い髯を持った男に生れたろう。最早他に青い毛を生《は》やした青い眼玉の男は一人も居ないかしらん。居たら直《す》ぐに、私はこの大切な秘密の役目を譲ってしまいたい。
 そうして私は毒でも飲んで死
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