ったのかと言葉を揃えて尋ねました。
似せ紅矢の美留藻はこの言葉を待ちかねて、紅矢の声色を使いまして、さも苦しそうな呼吸《いき》の下から、「何卒《どうぞ》皆の者を遠ざけて下さい。只御両親だけ御残り下さい。他人に聞かれてはよくない事で御座いますから」と申しました。そうして両親と差し向いになりますと、美留藻はさも痛々し気に床の上に起き直りまして、両手を支《つか》えて、繃帯の間から涙をポロポロと落して見せました。
両親は益々驚き周章《あわ》てまして左右から、
「お前はどうしたのだ。訳を云わずに泣いたとて訳が解からんではないか。どういう訳で涙を流すのだ。これ。紅矢。早く聞かせてくれ。心配で堪《たま》らない。ええ、紅矢」
と問い詰めました。この様子を見て美留藻は、先《ま》ず占《し》めた、両親は飽《あ》くまで自分を紅矢と思っていると安心しました。そしてなおも弱り切った声で――
「実は私は御両親に今日只今まで、固く御隠し申していた事が御座います。けれども最早|斯様《かよう》になりましては到底《とても》御隠し申す訳に参りませぬ故、すっかりお話し致します」
と申しましたが、これから濃紅姫が王様をお
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