は、ザッとこんなやり方である。
眼星をつけた少女の学校の往復、外出の道筋なぞを狙って一緒の電車に乗り込む。少女《スター》に近付いて前に立つ。
それから機会を作って話しかけ、足を踏んであやまる式もあれば、吊り皮を譲る式もある。狎《な》れた奴になると、初めからピッタリと寄り添って、肘で乳を押し上げ押し上げしながら相手の反応を見る。これは近頃のダンス流行から出たヤリ口だそうな。しかも、ダンスの奥許しの秘伝を電車の中で応用するのだから適わない。
相手が腰をかけていれば、こっちの膝で向うの膝を小突く。程よいところでニッコリして見せる。これに相手が応ずればもう成功だそうな。
そんな安っぽい女の子があるものかと云う人があったらば、前の「若い女性の享楽気分」の章を今一度読み直して頂きたい。
勿論、不良の方も第一回で成功しようとは思わぬ。根強くこれを繰返して、いよいよ言葉を交わす段取りになると、又の逢う瀬を約束する。あとは大抵きまり切っている。仲間同志で散々オモチャにしたあとを、ユスリの種に使うのである。以上はほんの一例で、まだこのほかにどれ位交際の機会があるかわからぬ事は、既に東京の年中行事
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