ったらハイチャイをきめていい権利を、男と同じ程度に振りまわしている。只、全部が全部でないだけである。
こうした傾向にカブレた東京の少女は、知らぬ男から顔を見られても、耳を赤くしてうつむいたりなんぞしない。アベコベにジッと見返すだけの気概? を持っているのが多い。これはどなたでも東京に行って御試験になればわかる。
往来を歩く姿勢も、昔と違って前屈みでない。昔は「屈み女に反り男」であったが、今では「反り女に反り男」の時代になった。今に「反り女に屈み男」の時代が来るかも知れぬ。
表情も昔と違ってキリリとなった。触《さわ》らば落ちむ風情なぞは滅多に見当らぬ。八方睨みを極めてあるきながら、たまたま男と視線が合っても、じっと一睨みしてから、「チッ」とか「フン」とかいった風に眼を外《そ》らして通り抜けるのさえある。
田舎からポット出の学生なぞは、あべこべに赤面させられそうである。
同性愛の新傾向
女学生間に同性愛が流行したのは震災前が最も甚だしかった。
先ず同級か下級の生徒の中で、好ましい風《ふう》付きと性質の少女《ひと》を見付け出して同性愛《シスター》関係を結ぶ。二人切り
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