Eハサウェイの結婚許可を得るために、アンの母親の代人としてウォースターの監督牧師に願い出させた。一つは身分の上に於いて花聟の家の方が低かったためか、シェイクスピアの父の方は手続の上では無視されている。翌年五月初めの子供(娘)が生れ、更に二年後に双生児(息子と娘)が生れた。そうしてその年、彼は妻と子供と親と家を後にしてロンドンへ出た。
 私たちはついでにシェイクスピアの母方の親戚なる郷士アーデンの屋敷がウィルムコートに在るというので、それをも見て行こうとして、田舎道を乗りまわしたけれども、捜し出せなかったので、そのままウォリクの古城をさして北東へ進んだ。
[#地から1字上げ](昭和十四年)



底本:「世界紀行文学全集 第三巻 イギリス編」修道社
   1959(昭和34)年7月20日発行
底本の親本:「西洋見學」日本評論社
   1941(昭和16)年9月10日発行
入力:門田裕志
校正:松永正敏
2007年8月9日作成
青空文庫作成ファイル:
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